駐車場として利用していたのであれば確かに自用地評価なのでしょうが、実は昭和時代の30数年前に建物所有を目的とした賃貸借契約(贈与時にはすでにその建物は火災により消滅している)により旧借地法に規定する借地権がうってあると認められるものだということで、
判決は納税者側の主張が認められ更正処分は取消しとなったそうです。
細かい論点については旧借地法の規定にあるものでここでは割愛しますが、土地を借りていたのが贈与者と関係のある同族会社であり、過去に権利金等の一時金の支払いもなく、「相当の地代」ほどの地代の支払いもなく(賃貸借契約と認められる程度の地代だそうです)、「土地の無償返還に関する届出書」の提出もないとのことで、借地権部分の減額は認められたのはいいが、それなら土地を借りている同族会社に借地権の認定課税があるのでは?と一瞬思いましたが、30数年前にうたれた借地権ということで、その30年後に認定課税することは「時効」だということなのでしょう。
ちなみになぜこのようなケースで法人に対し借地権の認定課税という問題が発生するかというと、例えば個人の土地に法人が建物を建てようとする場合、当然個人たる地主はタダでその土地を使わせる訳がなく、地主は売るもしくは借地権を設定してその対価を得ることとなるはずであり、その支払いがないということはその支払いを免除されたこととなり法人としては払わずに済んだ借地権分について受増益を計上するべきいうのが法人税法上の考えなのでしょう。
ただ、権利金の相場が土地の実勢価格の6割7割となるとすぐにそれを払うことができないという事情があったりすると権利金の代わりに通常支払う地代と比べかなり高額(ざっと更地価額の年6%)であるが「相当の地代」を払うという方法や将来的に土地が無償で返還する旨である「土地の無償返還に関する届出書」を税務署に提出することにより権利金の認定課税は免れます。
昭和の頃にうたれた借地権は今回のケースのように税務署の課税漏れみたいなことも多々あったようですが、現在は登記情報についてはコンピュータ管理されており個人の土地の上に法人が建物を建てたという情報についてもきっと当局は目を光らせていることでしょうし、もし今後その様なケースがありましたらその後の相続税等のことも並行して想定しながら慎重に判断せざるを得なくなることでしょう。
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