そしてこの返済猶予は永久に続くものではないため返済猶予期間中に経営改善を行い、いずれ返済を再開しなければなりません。しかし多くの企業において経営改善が進まず返済を再開するだけの経営改善ができていないのが実情だと思われます。
金融庁は金融円滑化法終了に際して「中小企業金融円滑化法の期限到来後の検査・監督の方針」において以下のようなコメントを出しています。
・金融機関が、貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めるべきということは、円滑化法の期限到来後においても何ら変わりません。
・金融検査・監督の目線やスタンスは、円滑化法の期限到来後も、これまでと何ら変わりません。
・検査・監督を通じて金融機関に対し、関係金融機関と十分連携を図りながら、貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めるよう促します。
・円滑化法の期限到来後も不良債権の定義は変わりません。
(貸付条件の変更等を行っても不良債権とならないための要件は恒久措置です)
・個々の借り手の経営改善にどのように取り組んでいるのか、検査・監督に
おいて、従来以上に光を当てます。
上記のコメントからすると金融円滑化法が終了し一斉に返済猶予も終了、それ以降一切返済猶予は受け付けませんという事にはならないということのようです。しかし金融機関がいつまでも返済猶予を継続してくれるわけではありません。いつかは返済の再開が必要になりますし、金融機関としてもすでに返済猶予をしている取引先についてはそろそろ返済の再開等の出口を探している時期です。今後も金融機関からの支援を得ていくためにも、何よりも自社のために会社の実情を把握し改善を行うよい機会と考えて行動を起こしてみてはいかがでしょうか?
自社の実態を把握し、経営改善計画を作成し、実際に計画に沿って実行する。言うのは簡単ですが実際に実行するには大変な労力が必要となります。しかし行動を起こさないことには何も変わりません。
税理士法人優和は中小企業経営力強化支援法に基づく経営革新等支援機関の認定を受けております。会社を改善したいとお思いの方はお気軽にご相談ください。
税理士法人優和 京都本部 金山昌泰
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