(通称 モラトリアム法案)なるものが成立したのは平成21年12月です。
以来、多くの中小企業者、個人が金融機関窓口を訪れ、借入金返済期間の
延長や金利の減免措置など相談してきました。
当初は23年3月末までの時限立法でしたが、1年間延長されています。
そもそも、この法案は中小企業の円滑な業務遂行や住宅ローン債務者の生
活の安定等を目的とするもので、資金繰りが苦しくなった中小企業や個人
から要請があれば、できる限り条件変更等に応じるよう努めなければなら
ないというものです。
中小企業者には、返済期間の延長や金利減免など、今までも交渉するとこ
ろはしてきたでしょうし、事業計画等の提出も頻繁に行ってきたかと思い
ます。
ところで、ここ最近、金融機関からの試算表の提出や事業計画の提出要請
がやたら増えたと感じている経営者の方もいるかもしれません。
原因は、法案を1年間延長するにあたって、監督官庁より指針が出されて
いることが大きく影響しています。
正式名称は「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に
関する法律に基づく金融機関監督に関する指針」なる長い名称ですが、8
頁程度の短い資料で
金融機関は、条件変更期間中に経営が改善する為に、積極的にコンサルテ
ィング機能を果たすように求めています。
主な内容は
コンサルティング機能の発揮に際し金融機関が果たすべき役割
経営課題の把握・分析等
経営課題の把握・分析と事業の持続可能性の見極め
債務者の課題認識・主体的取り組みの促進
最適なソリューションの提案
ソリューションの提案
経営再建計画の策定支援
新規の信用供与
ソリューションの実行および進捗状況の管理
コンサルティング機能の発揮
態勢整備
経営陣による主導性の発揮
本部による営業店支援
外部専門家・外部機関・他の金融機関等との連携
ノウハウの蓄積・人材育成
職員のモチベーションの向上に資する評価
監査
監督手法・対応
と多岐にわたり、如何に経営改善に金融機関が貢献できるか、また、出来て
いなければ改善を促す、業務改善命令の発動までも検討するとなっています。
金融機関との関係もお金を借りている側といったものから、ともに業績回復
、改革を行うパートナーとして見直しをしてみると出来ることが増えるので
はないでしょうか。
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